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“落とし文”とは、公然とは言えないことや秘かに想う恋心などを
伝えたい人の近くに落として拾わせた置手紙のこと
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森の小径で「落とし文」を見つけました
落ち葉の上にそっと置かれています
差出人はいったい誰でしょう
丁寧に折りたたまれたとても小さな巻紙です
なにを伝えたいのだろう
そっと中を覗いてみましょう
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山を、自然を、愛する人たちへ
わたしは この森一番のクラフトの名手
オトシブミ科のオトシブミという昆虫です
そうゾウムシとも呼ばれます
この「落とし文」を見つけたら
そ〜っと 落ち葉のベッドに戻してください
大切なわたしのあかちゃんが眠っています
オトシブミより
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クロモジ、ハンノキ、コブシ、などの広葉樹の葉で
巻紙を思わせる「落とし文」を作ります
若い葉っぱが材料です
葉っぱにつかまり 葉脈を切り
柔らかくなったら カギの付いた手足で
折りたたみ まるく巻き取ります
みんなオトシブミの雌のしごと
落とし文が完成に近づいたころ
どこからともなく雄があらわれ 産卵を手伝います
その後 雌は封をして出来上がった「落とし文」を
落ち葉のベッドに切り落とします
この落とし文は この森の自然を次の世代へと伝える
大切なものだったのですね